正御本尊をわが家に
案ずるより 産むが易し
石川県 Sさん
9月に正御本尊をお迎えしたSさん(88)は、「御名号が正しいと分かっていても、家族の反対が心配で、なかなか切りだせずにおりました」。親鸞学徒になって5年間、いつかは御名号にと思いながら、ついつい先送りにされていたそうです。
しかし、親鸞会の『顕正新聞』に毎回、正御本尊の大切さが強調され、同じ石川県のKさん夫妻が、よく似た状況の中、正御本尊をお迎えした記事が載り、「これはモタモタしておれん」と、思い切って家族に話すことにしました。
結果は、案ずるより産むが易し。なぜ御名号が正しいのか、『顕正新聞』を見せ、その内容を語って聞かせると、すんなり同意を得られました。「こんなことなら、もっと早く言えばよかった」と、今は後悔しきりだそうです。
Sさんは今年、米寿を迎えられましたが、記憶力は抜群で、教学を研鑚する中、蓮如上人の
「他流には『名号よりは絵像、絵像よりは木像』というなり。
当流には『木像よりは絵像、絵像よりは名号』というなり」
(御一代記聞書)
のお言葉が、いつも心に引っかかったそうです。後生の一大事の解決を求めるなら、親鸞聖人の教えに背いていてはならない。教学が深まるにつれ、知らされるのはそのことでした。
正御本尊をお迎えし、「胸がすーっとしました」と今は喜びいっぱいです。「真宗門徒といえど、南無阿弥陀仏に無上甚深の功徳利益があることなど、だれも知りません。知ったとしても、心からそう思えないでいる。だから木像・絵像のままなのでしょう」。そう語るSさんは、功徳の大宝海である南無阿弥陀仏に帰入し、仏凡一体の身に救われる、それ一つに余命を懸けたいと、一層の聞法精進を誓っておられます。
愛妻を亡くした翌年、浄土真宗親鸞会の講演会に参詣した。「もっと早く真実に出遇えていたら、妻にも聞かせてやれたのに。本当に残念です」と語る
ご下附式で 即座に決意
兵庫県 Iさん
「この体は今生だけ。肉体を失ったあと、後生は未来永劫です。病気のことも心配ですが、もっと大事な後生の一大事を、一日も早く解決したいんです」
Iさん(79)は、ご下附式に参加したその日、お仏壇用の御名号本尊を申し込まれました。
今年3月、初めてビデオご法話に参詣したIさんは、その時から「親鸞会館へ行き、直接、高森先生のお話をお聞きしたい」と切望されました。しかし、病で手術が必要だったため、富山行きは何度も見送らねばなりませんでした。
ビデオご法話を聴聞するたび、2000畳の親鸞会館へ行けない悲しさから涙ぐむIさんに、大慈大悲の無上仏のご加護があったのでしょう。突然、病気が快方に向かったのです。それは医者も驚くほどで、「今しかない。ぜひ、富山に連れていってください」と涙ながらに言われ、7月6日、ようやく念願の親鸞会館でのご法話参詣がかなったのです。
ご下附式では、中村正勝講師長より、後生の一大事の解決を求める者に、南無阿弥陀仏の御名号がいかに大切か、親鸞聖人、蓮如上人のお言葉を通して詳しく教えていただきました。そうだったのかと感動したIさんは、「今すぐにでもお仏壇用の正御本尊をお迎えしたい」と、自ら申し出られたのです。
そのあと、信心の沙汰をするため、法輪閣へ出掛けると、先ほどの中村講師長とばったり。Iさんがお仏壇用の正御本尊を申し込まれたことをお話しすると、満面の笑みで、「そんな思いになられる方があるのを念じて、いつも話しているんですよ」と祝福されました。
根本に尊ぶべきものが御本尊です。学徒となったらまず御本尊を聖人の仰せどおりにさせていただく。その当然を、即座に実行される姿を尊く思いました。