哲学書を読みあさっても分からなかったこと
大前祐輔

	 自分は何のために生まれてきたのか?
	      何のために生きているのか?
	    自分の人生に目的があるのか?
     あるとすれば、それは何であるのか?
これが私の高校時代からの悩みでした。
 そのことを考えると、ただ単に大学へ進学するためだけの勉強は全く手につかず、授業をまともに受ける気にもなれませんでした。
   そのため、周りの人たちが一生懸命勉強している中、自分は非常に浮いた存在となっていたのです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
 親や教師や友達に「人生の目的」について相談しても、皆口をそろえて、
	  「そんな訳の分からないことばかり考えていないで、みんなと同じように勉強しなさい」
	  と言うだけで、全く納得の行く答えは得られませんでした。
	   そこで私は、
	  「誰も教えてくれないのなら、自分で考えるしかない」
    と、人生の目的を自分で見つけようと思いたちました。
 そのため私はいろいろな場所に行き、特殊な人生経験を持っていそうな人たちに
	  「あなたの人生の目的はなんですか?」
    と尋ね回りました。
 ところが、そういった人生経験の豊富な人たちでも、答えは人それぞれでしたが、結局、金のため、愛する人のため、楽になるため、などといった欲を満たすために生きているのだという意見しか得られませんでした。
	 しかし、「もし、欲を満たすことが人生の目的であるならば、人間の欲は無限にあるわけだから、これで満足ということは一生かかってもない、ということになるではないか」
      と思い、この意見も認めることはできませんでした。
 普通の人間に聞いて回っても、らちが明かないと考えた私は、昔の哲学者の意見を参考にしようと思い、哲学書を片っ端から読みあさろうと決意しました。
	   ところが、プラトンやロックやルソーなどは何とか書いてあることだけは理解できましたが、カントやニーチェ、フッサール、サルトル、ハイデガーは抽象的すぎて何が書いてあるのか分からず、ヒュームやバークリに至っては、日本語かどうかすらも分かりませんでした。
    
  自分の能力不足を痛感した私は、大学へ進学して、人生の目的を知るために、哲学を勉強しようと決意し、猛勉強を始めたのでした。
	   その結果、志望大学に入学することができました。
   そうして、今から哲学を本格的に勉強しようと意気込んでいた矢先、親鸞会の会員の方から親鸞聖人の教えを聞くことができました。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
親鸞聖人のみ教えを初めて聞かせていただき、目からウロコが落ちる思いでした。
今までいくら考えても分からなかった
 「何のために勉強して、働いて、生きていくのか?」
    の問いに明確な答えを指し示していただいたのです。
  とても感動しました。
	   求めていた本当の人生の目的に巡り遇うことができたからです。
  
  生きる意味が知らされた今、それまで手につかなかった勉強も、
    「このためにやるんだ!」
    とファイトがわいてきます。
     このまま生きていても無意味な生がただ続くだけと思っていましたが、現在は違います。
     親鸞会の会員となり、生んでくれた両親に心から感謝しています。
親にも本当の孝行をしていきたいと思います。
(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)

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