私も親鸞会会員に 97歳 平生業成に驚き
山中 正幸(仮名)
明治43年生まれ、10月で97歳になるという。
「親鸞聖人の教えに出遇えてよかった。長生きしたのも、このためやね。あとは信心決定一つ、そうなれば最高や」
平成19年6月、親鸞会主催の仏教勉強会の案内チラシで「親鸞聖人」の文字を目にしたとき、ふっと思った。
「もう年だし、同期の人はこの世にいない。私の番が近づいている……」
早速出掛けた聴聞会場で、親鸞会の講師から聞いた『正信偈』の話に引かれる。
祖父母も良心も、熱心な真宗門徒で、よく『正信偈』の勤行をしていた。家族の会話から、「平生業成」や「信心決定」という言葉は耳にしていたが、意味は分からなかった。
「死んだらお助け、死んだら仏と思っていたのでね。この世で信心決定しなければ極楽へは往けないと聞きびっくりしました。これは、大変、一座でも多く聞かせていただかねばと思ったんです。」
仏法は苦労して求めるものと聞き、2000畳の親鸞会館へ何度も参詣するようになる。
「親鸞会館では大勢の若い人が真剣に求めておられる。私はなおさら急がねばならん。もう見えを張ったり、余分なことは考えず、親鸞聖人の教えの通り進ませていただくだけです」
94歳の妻にも聞かせてやりたいと、居間のテーブルにさりげなく、親鸞聖人の教えの書かれた小冊子や、親鸞会の講演会で聞いたことをまとめたノートを置いている。
「一緒に、親鸞会館で聞きたいからね」とはにかむように笑ってみせた。