素晴らしい仲間と過ごした
      素晴らしき日々

東京都 下川瑞穂

親鸞会 会員の声

「学生時代、何をやっていたの?」。就職後、そう聞かれるのがいちばん苦手でした。

 大学で仏法と出遇い、聞法に出掛けるようになりました。尊い教えと理解しつつも一筋になれず、自分にはとても求められないと、卒業を前に仏法から離れてしまいました。
 以来、友人にも家族にも仏法の話はせず、私にとっての学生時代は「空白の4年間」となりました。

 月日は流れ、出版業界に身を置くようになった私は、ある日、書店のベストセラーコーナーに並んだ本にハッとしました。
 それは懐かしい高森顕徹先生のご著書だったのです。

 今の時代、ベストセラーになるのがどんなに大変か、出版に携わる人間なら骨身にしみて分かります。
 それまで仏法のことがちらりと頭をよぎるたび、「真実ならばおのずと広まるはず」と不遜な態度で距離を置いてきた私のもとへ、高森先生がわざわざ出向いていらしたように思われました。
 これをきっかけに、かつてはご法話のポスターを見掛けると、逃げるように顔を背けていた私が、「いつかまた先生にお会いしたい」と思うようになったのです。

 さらに昨年、一緒に仕事をしたライター(文筆家)に何気なく、「最近、面白い人に会いましたか」と聞くと、彼女が口にしたのは何と大学時代に一緒に仏法を求めた先輩の名前でした。
「今度、東京に講演会に見えますよ。終了後の懇親会に出ませんか」と誘う彼女の陰に隠れるようにして会場を訪れると、そこにはもう一つの懐かしいMさんの顔があったのです。

 久しぶりの再会に、Mさんは開口一番、「妻の言ったとおりだ」——。何のことかと尋ねると、大学時代、一緒に聞法していたMさんの奥さんが、「瑞穂さんは東京のどこかにいるはずだから絶対に会える」と言い続けてくれたそうです。

 その後、奥さんにも会い、見せてもらった絵ハガキには、見たこともない二千畳の正本堂がそびえ建っていました。
 すごい勢いで真実が広まっているのが分かりました。

その時、心が叫んだ

 それから2カ月後の降誕会、あれよあれよという間に、私は絵ハガキで見た二千畳に座っていたのです。

 20数年ぶりの高森顕徹先生は、全くお変わりなく、全く同じ話をしてくださいました。
 そのお姿に、やっぱり真実だったんだ!と、心が叫びました。

 そのことが分かるまで、私には20年の歳月が必要だったのです。
 自分で切り開いたように思っていた人生もすべてご方便、お釈迦さまの掌の上の孫悟空だったのだと思わずにはいられませんでした。

 ひたすら聞法のためを考えた会館のたたずまいにも感動しました。
 久しぶりに会う法友たちは皆温かく迎えてくださり、同窓会のような幸せなひとときを過ごしました。
 ずっと、「なかったもの」として封印してきたあの4年間の学生時代は、無駄じゃなかったんだ、私は素晴らしい人たちと素晴らしい時を過ごしていたんだと、この日、心から思うことができました。

 大きな阿弥陀如来の願力に導かれ、せっかくつかんだこのご縁を、今度こそ大切にします。
 

(プライバシー保護のため、個人名は仮名にしてあります)

 

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