弥陀釈迦の大恩

親鸞会

「如来大悲の恩徳は
 身を粉にしても報ずべし
 師主知識の恩徳も
 骨を砕きても謝すべし」
(親鸞聖人)

 この世のどんな大恩でも、命を捨ててお返しできないものはないだろうが、親鸞聖人の恩徳讃は、「身を粉に」「骨砕きても」なお報い切れない大恩のあることを教示なされている。

 それが、「如来大悲の恩徳」と「師主知識の恩徳」である。大悲の阿弥陀如来の洪恩と、その弥陀の大慈を伝えてくだされた善知識方のご恩だが、それほど大きなご恩のあることをだれも知らない。

 なぜだろう。

「真仮を知らざるによりて、如来広大の恩徳を迷失す」(教行信証)

 真仮を知らぬから、弥陀の広大なご恩も分からず、恩徳讃の心がないのだ、と親鸞聖人は断言されている。

 真仮とは、何か。

 真とは、弥陀が本心を誓われた第十八願(真実)のことである。

 本師本仏の阿弥陀如来は、十方諸仏の悲願にさえ漏れた、苦悩にあえぐ十方衆生を、とても見捨てておけず、「われひとり助けん」と超世の大願を起こされた。

 その内容は、「すべての人を、必ず絶対の幸福に助ける」という想像を絶した本願である。

「若不生者不取正覚」もし本願どおりに救うことができなかったら、この弥陀は仏の命を捨てるとまで誓われている。

 ところが、我々には、十方諸仏に見捨てられたという自覚もなく、迷いの真っただ中にいながら、そのことすらも知らないでいる。だから、「絶対の幸福にしよう」と言われても、有り難いとも、その身になりたいとも、聞こうともしないのだ。

 真実のかけらもない我々を、どうすれば真実の十八願まで導くことができようか。あの手この手、ああもしたらいいか、こうもしたらどうか、弥陀の苦心惨憺のご苦労が、十九、二十の方便願となったのである。

 真実から方便が出たのであり、真実(真)からしか出ようのないのが方便(仮)というものなのだ。目的なしの手段はありえない。我々を真実に導くために、必要不可欠な手段が方便だから、必ず方便から真実に帰すのだ。

 その弥陀の十九、二十のご方便の願意を、解説されたのが、『観無量寿経』と『阿弥陀経』。これが、師主知識の元祖である釈迦のご方便である。

 この弥陀釈迦の善巧方便によってこそ、十八願真実に転入し、真仮を明らかに知らされた親鸞聖人は、弥陀と善知識の報い切れない大恩に感泣しつつ、燃える恩徳讃に生涯を捧げられたのである。

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