慢心が道を誤る

 

親鸞聖人から直筆の御本尊やお聖教を拝受していた信楽房というお弟子があった。深い御心をかけていただきながら、法文の解釈について聖人に従わず、非難罵倒して故郷の関東に去っていった。

かつては聖人を慕って京へ馳せ参じた者が、なぜそのように道を踏み外したか。そこに我々は、信楽房の恐ろしい慢心を見ないわけにはいかない。

「おれは優秀だ。だから他の弟子以上に、師匠にかわいがってもらえるのだ」という自惚れ心が瞋恚の炎となって、彼を誤らせたのであろう。

仏道修行者にとって、最も恐ろしいのがこの慢である。最後までこの慢心が、さとりの妨げになるといわれている。

驕る平家は久しからず。歴史を眺めても、自惚れが失敗の原因となっていることが多い。

神州不滅と思い上がった日本が、世界を相手に戦争し、惨敗したのはつい60数年前のことだ。国力で当時20倍ともいわれたアメリカと戦っても負けないと開戦に踏み切らせたのは、神風が吹いて元寇から守ってくれたという、根拠のない慢心があったからという。

近くは、平成19年の参院選の自民党の惨敗も、衆議院では与党が3分の2を得ているという自惚れだろう。

得意満面が、一夜にして地獄に転落する事例は、枚挙に暇がない。
自惚れるなよ、自惚れるなよ、と自分でどれだけ戒めても、やはり自惚れる。しまいには、おれは自惚れていないぞと自惚れるから、
始末が悪い。

「偉そうにする値なぞ、なき身なり」の反省は常に大事だが、同時に、道を誤ろうとした時、厳しく指摘し、正してくれる法友の存在が大切だ。

「つくべき縁あれば伴い、離るべき縁あれば離る」

人の離合集散は縁によるのだ、と親鸞聖人は教えられている。
よき法友、よき縁を求め、裏切られることがあっても、裏切る者になってはならない。

※親鸞会館には、本当の親鸞聖人の教えを聞き求める人が、さまざまな因縁で全国から集っています。親鸞会で、幸せに生きる道を一人でも多くの人が歩まれますことを念じてやみません。

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