後生の一大事が問題にならねば、「雑行」は絶対に分からない (4/6)

阿弥陀仏の十九願の目的

学徒:なぜお釈迦さまは、それほど善を勧められたのでしょうか。

学徒:先生の阿弥陀仏が、十九願で諸善を勧めておられますからね。

講師:いいところに気がつかれました。
「しかもそれは釈迦の勝手な判断でなく、本師・弥陀が誓われた救済の要門だからである」と書かれています。この「要門」とは十九願のことです。

学徒:阿弥陀仏が「救済の要門」として十九願を建てられたのですね。

講師:十九願から二十願へ導き、そして、真実の十八願へ転入させる。
阿弥陀仏が「十方衆生」と誓われたのは、この三願のみです。
この三願によって救う、という三願転入が、私たちを救うための阿弥陀如来の遠大なご計画なのです。すべては、阿弥陀さまのお計らいなのですよ。

学徒:親鸞会を非難する人たちは、それを勝手に計らって、「18願だけでいいんだ」と言うらしいですね。

学徒:「19願は、聖道門の人を浄土門に導くためのものだから、18願の救いを求める人には関係ない」と言っているそうですよ。

学徒:へー、19、20の方便願は、自分には不要とでも思っているのでしょうか?

学徒:方便は卒業したと思っているのかな?

学徒:とんでもないうぬぼれですねえ。

講師:18願だけで素直に聞ける自分だと思っているからでしょう。

学徒:ところがおかしなことに、念仏を称えることは勧めるそうですよ。

学徒:19願は不要だが、20願は必要ということ?

学徒:それじゃあ、二願転入だ。

学徒:阿弥陀仏の19願は、あきらかに「十方衆生」と誓われていますね。阿弥陀仏のお誓いですからね。

講師:その19願をお釈迦さまが開説されたのが、『観無量寿経』ですが、説かれた相手は、悪女の韋提希夫人(イダイケぶにん)です。聖道門の人ではありませんよ。

学徒:また、未来の衆生、つまり私たちのためにも説かれたのが『観無量寿経』の定散二善(善のすすめ)であると教えていただきました。

講師:そうです。また親鸞聖人は19願の御心を、

「至心発願欲生と 十方衆生を方便し、
  衆善の仮門ひらきてぞ 現其人前と願じける」

とおっしゃっています。

学徒:「十方衆生を方便し」というのは重いお言葉ですね。

講師:十方衆生が、阿弥陀仏のお力によって導かれているのですから、無関係な人は一人もありません。

学徒:「19願は聖道門の人にだけ」というのは、明らかにおかしいですね。親鸞聖人のお言葉に反しています。

講師:本願寺の勧学(学者)に、そういうことを言う人がいますから、その受け売りで非難しているのでしょう。非難の論法も、全く同じですから。
  高森先生は、すでに『本願寺なぜ答えぬ』の中で、「仏の正意がわからぬために『方便(仮)は捨てもの』と実行せず、合点だけで、相済みにする本願寺」(p159)と書かれています。
  また、「自力とか、十九願というと、捨家棄欲、自力修行としか考えられぬ、半身不随的理解」(p163)とも、ズバリ見抜かれていますね。

学徒:すごい破邪のお言葉ですね。

学徒:宿善論争は、もう25年前になりますが、いまだに本願寺から返答はありませんね。

講師:25年間も答えられない、という事実は極めて重いものです。
そのへんの有象無象が何を言おうと、本願寺トップの学者集団は、完全に沈黙しています。

学徒:『本願寺なぜ答えぬ』には、「善のすすめ」が、文証で明らかにされているのですからね。

学徒:ところが本願寺は善のすすめを否定しているのですから、末寺の僧侶や浄土真宗の門徒の人が、積極的にやろうとしないのも当然ですね。

学徒:「雑行を捨てよ」を「善を捨てよ」と聞き誤り、どうせ雑毒の善しかできないのだからやる必要がないと、善をやろうともしない。
だから、無気力で、消極的な人が多いんですよ。

学徒:善のすすめを非難するあるグループは、本当にやる気が感じられない無気力人間の集まりですよ。

講師:当然でしょうね。因果の道理ですから、善いことをしなかったら悪因悪果、自因自果で、悪い結果しかきませんよ。まず人間として、だめになります。若い人は、本当に一生を棒に振ってしまいますね。

学徒:ある住職は他力だからと努力もせず、庭の掃除もしない。そんな住職に愛想を尽かして、門徒をやめて新興宗教に走った人のことが紹介されていました。

講師:そんな門徒が、全国にどれだけあるか分かりませんよ。

学徒:それで、浄土真宗が今日の衰退になってしまったのですね。

学徒:それなのに張本人たちが、一向に目が覚めない。

学徒:阿弥陀仏の御心を正しく説かれた親鸞聖人や蓮如上人は、「善をするな」などとは仰っていませんね。それどころか蓮如上人時代には、吉崎御坊や山科本願寺、晩年には石山本願寺も、門信徒の熱烈な御布施で建立されています。

学徒:また、多くのお弟子や、当時の親鸞学徒は、蓮如上人の『御文章』を携えて、各地に仏法を広めていますよね。

講師:皆、蓮如上人のご勧化によるものです。善をすることが弥陀の救いの妨げになるのなら、ありえないことでしょう。蓮如上人が善を勧めてくださっているお言葉は?

学徒 『御文章』四帖目三通にあります。

「これにつけても、人間は老少不定と聞く時は、急ぎいかなる功徳・善根をも修し、いかなる菩提・涅槃をも願うべき事なり」

学徒:「まことに宿善まかせとはいいながら、述懐のこころ暫くも止むことなし」(『御文章』四帖目十五通)のご遺言もありますね。

講師:宿善とは、阿弥陀仏のお力によってお育ていただくことなんです。
阿弥陀仏も善知識方も皆、善を勧めてくださっているのです。

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