親鸞会 親鸞聖人の正信偈を学ぶ「天親菩薩造論説~光闡横超大誓願」
天親菩薩造論説......天親菩薩は論を造りて説かく、
帰命無碍光如来......「無碍光如来に帰命したてまつる」と。
依修多羅顕真実......修多羅に依りて真実を顕し、
光闡横超大誓願......横超の大誓願を光闡する
「釈迦の滅後、900年後にインドに現れられた天親菩薩は、有名な『浄土論』を著されている。冒頭に、
『天親は、ひとえに阿弥陀如来のお力によって、絶対の幸福に救い摂られたのだ』
と告白され、その弥陀の真実の救いを、釈迦の一切経によって明らかにされているのである」
「天親菩薩は論を造りて説かく」
と言われている、論とは『浄土論』のことです。
天親菩薩に限らず、菩薩の書かれたものを皆、「論」といわれますから、論にはいろいろあるのですが、浄土仏教で「論」といえば、天親菩薩の『浄土論』を指すほど有名で大切なお聖教です。
では『浄土論』とは、どんな本なのでしょうか。釈尊の説かれた一切経七千余巻の中で、特に重要なお経が三つあり、浄土三部経といわれます。『大無量寿経』『観無量寿経』『阿弥陀経』、いずれも阿弥陀如来のことを集中的に説かれたお経です。『浄土論』は、この三部経に共通した意を明らかにされた論なので、「三経通申の論」といわれています。
その『浄土論』の書き出しはこうです。
「世尊我一心、帰命尽十方無礙光如来、願生安楽国」
「世尊、我、一心に、尽十方無礙光如来に帰命したてまつりて、安楽国に生ぜんと願ず」
と読みます。
世尊とは、世の中で最も尊い方という意味で、お釈迦さまのことです。
我とは、天親菩薩ご自身のこと。
尽十方無礙光如来とは、大宇宙何ものにも遮られることのない力を持たれた仏さま、すなわち、阿弥陀如来のことです。
安楽国とは、弥陀の極楽浄土。
ですから、
「お釈迦さま、あなたの教えのとおり、この天親は阿弥陀如来に一心に帰命いたしました。そして弥陀の浄土に生まれさせていただきます」
と言われているのです。
これを親鸞聖人は『正信偈』に、
「帰命無礙光如来」(無礙光如来に帰命したてまつる)
と7文字に要約されておっしゃっているのです。
天親菩薩は、どのように阿弥陀如来の救いを明らかにせられたのか、親鸞聖人が「正信偈」教えておられるのが、冒頭に示した一節です。高森顕徹先生が詳しく講演されましたので、その内容の一部を、動画でご紹介します。
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