送る先は?『おくりびと』

3 月 13, 2009 on 9:43 pm | In 社会 | No Comments

 

親鸞会 おくりびと

 映画『おくりびと』が、米アカデミー賞を受賞しました。

 その作品の原点が、『納棺夫日記』といわれます。

 青木新門さん(作家・富山市在住)が書いた本で、アマゾンのランキングで、1位(24日19時時点

)。

 その青木さんについて、『毎日新聞』(2.24)1面に、次のように報じられていました。

 完成した映画は「視覚的に見えない世界を現代風に視覚化してくれた。いい仏像ができた、という印象だった」と振り返る。しかし、封切り直前、「原作者」とされることは拒んだ。いちばん描いてほしかった「『おくりびと』が(死者を)どこに送るのか」が描かれていなかったからだ。「人間はどこに行くかが分かると安心して死んでいけるもの。今の社会も行き先が分からないから不安なのです」

 たしかに、青木さんの言うとおり、「どこに行くかが分かると安心して死んでいけるもの」といえましょう。

 しかし、それは、だれでもそうなのでしょうか。
 哀惜や後悔、恐れなどがこもごも現出するであろう人生の終末に、なお、行き先が明るくとハッキリしていればこそ。

 その身に、救われるのは、生きている”今”と教えられたのが、今日、世界の光と仰がれる親鸞聖人なのです。

(W)

黒豆効果

3 月 10, 2009 on 4:42 pm | In 聞法ドメイン | No Comments

黒豆

 せきが止まらなくて苦しい時って、ありますよね。
 薬をのんでも、なかなか治らないことも、時にはあります。

 そんな時、「黒豆」がいいらしい!

 黒豆を、時間をかけてゆっくりたいて汁も豆も、全部頂く。
「良薬は口に苦し」どころか、おいしくて、ご飯のおかずにもなります。
 薬のような即効性はありませんが、続けることで、効果は確実にあらわれるようです。

 昔の人の知恵なのでしょうね。

 

 大豆は、”陸の牛肉”ともいわれるだけあって、体にいいですし、黒豆は、さらに栄養があります。

 食事処サンキュー(射水市青井谷)には、無農薬・有機栽培の「丹波の黒豆」が並んでいて、人気のようです!
 せきで困っている方、ぜひ、試してみてはいかがでしょう?

(T)

「生まれてきて、本当に幸せ」と心から喜べる道

3 月 9, 2009 on 5:05 pm | In 社会 | No Comments

 

生きる意味

以前、島田紳介の「人生が変わる1分間の深イイ話」という番組(日本テレビ)を話題にしましたが、2月16日には、ほかにも印象深い話がありました。

それは、昨年、映画『崖の上のポニョ』の主題歌を歌って大ブレイクした大橋のぞみちゃんの言葉です。

のぞみちゃんが「おしゃれイズム」(日本テレビの番組)に出演した時、司会者の上田晋也さんが、

「人生でいちばんうれしかったことは何?」と尋ねた時の答え。

それは……

 

「生まれてきたことです」

9歳の女の子とは思えぬ返答に、上田さんはビックリ。

それで、「深イイ話」へと送られたのですが、ここでは10人の出演者のうち、2人は「う〜ん」と首をかしげました。

「親に言わせられとるんとちゃう?」

「9歳で、本当にそんなふうに思えるの?」

という理由からです。

 

そういえば、正反対の話を聞いたことがあります。

「師よ、人間にとって最もよいことは何か」。西洋のある国王が哲学者に尋ねた。

「王よ、尋ねられるのが、遅うございました。今では不可能なことです」

「それは何か」

「人間に生まれて来こないことです」

意外な答えに王は驚き、深くうなずく。

「その次によいことは?」

「今すぐ死ぬことです」

 

長く生きるほど、人はつらい現実に直面します。
「こんなに苦しいのなら、生まれてこなければよかった」と思ったことのない人は、果たしてあるでしょうか。

でも、

「人身受け難し、今已に受く。仏法聞き難し、今已に聞く。
この身今生に向って度せずんば、さらにいずれの生に向ってか、この身を度せん」

お釈迦さまは、人間に生まれるのは、本当に有り難い、幸せなことなのだと説かれています。

 

のぞみちゃんも、幾つになっても、「人間に生まれて、本当に幸せです」と心から喜べる道を歩んでほしいと思いました。

(E)

動物を虐待するセレブ?

3 月 5, 2009 on 1:19 pm | In 社会 | No Comments

動物愛護

「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」といえば、世界最大規模の動物の権利擁護団体として知られています。
 PETAは毎年、毛皮製品を身につけている有名人を投票で選んで、ワーストドレッサー(最悪のファッション)を決めています。

 

 今年も投票が始まっていますが、今のところ、デミ・ムーアが1位のようです。
 PETAは、毛皮を着用した著名人にペンキをかけて事件を起こすなど、過激な活動を続けていますが、毛皮は悪くて、食肉はよいというのは、自己矛盾ではないでしょうか。

 かつて日本で矢ガモに同情が集まった時のことを、思い出さずにおれませんでした。

(R)

パンデミックがなくても「隣り合わせのもの」

3 月 2, 2009 on 3:12 pm | In 社会 | No Comments

pandemic

 映画『感染列島』が、1月17日から公開されています。

 制作したTBSによると、実はこの作品は、昨年5月のカンヌ国際映画祭で、世界各国から集まってきた映画関係者たちの注目を集めていたそうです。

 まだプロモーション用の映像も、ポスターもなかった。
 しかし、そこに記された英題、『PANDEMIC(パンデミック)』は、世界中の映画人に衝撃を与えるのに十分だった、と。

 新型ウィルス感染症とその対策については、連日、世界中のメディアが関連情報を報道しており、世界各国が急務として取り組むべき問題であることは周知の事実だ。
 近年の映画でもこれまでに、ウィルス封じ込め作戦を展開する『アウトブレイク』や、ウィルス感染症の蔓延によって世界が崩壊した後を描いた『28日後』『アイ・アム・レジェンド』などの作品があった。
 しかし、新型ウィルスの感染拡大が実際の社会や人々にどのような影響を与えるか、感染爆発の過程そのものを描く映画は、いまだ存在していないのだ。
 映画『感染列島』は、これまで誰も描こうとしなかった、現代社会の“パンドラの箱”ともいえる、
「疫病と人類の戦い」という深遠なテーマに真っ向から挑む、新機軸のパニック・ムービーにして、世界で初めての映像プロジェクトである。
 本作が、現代を生きるすべての人々に問題提起し、警鐘を鳴らす衝撃作として、世界中を震撼させるであろうことは間違いない。
http://www.tbs.co.jp/movie/kansenrettou/

 毎年、新型インフルエンザ対策が話題になります。
 恐怖の波は、ひたひたと近づいている。
 映画『感染列島』は、その紛れもない現実をリアルに突きつけています。

 14世紀のヨーロッパでは、ペストの大流行で全人口の3割が命を落としたといいます。

 疫病は、まこと恐ろしい……。

 しかし、そんな感染に巻き込まれなくても、本当は、いつも私たちは、「死」と隣り合わせ。

 仏教で、「生死一如」と言われます。
 そのことを忘れていることが、実はもっと恐ろしいと思うのです。

(T)

「ありがとう」を3回言うこと

2 月 28, 2009 on 10:52 am | In 社会 | No Comments

ありがとう

島田紳介の「人生が変わる1分間の深イイ話」という番組(日本テレビ)で、こんな“深イイ話”が放送されていました。(2月16日)

 

うつみ宮土理さんが、森光子さんから受けたというアドバイス。

それは、「ありがとうを3回言うこと」と放映されていました。

 

例えば、食事をごちそうになった場合、「ごちそうさまでした。ありがとうございます」と、その場で1回目。

そして翌日、会った時に、「昨日は、ありがとうございました」。

さらに何日かして、「先日は、ありがとうございました」と、3回目の感謝を表すというものです。

 

これは、お釈迦さまが、お金や物を持たない人でも、気持ちさえあればできる布施(親切)があると、『雑宝蔵経』に説かれている「無財の七施」の一つ、「心施(しんせ)」そのものです。

 

「心施」とは、心から感謝の言葉を述べるようにすること。

「ありがとう」

「すみません」

1分どころか、たった5文字の音声ですが、

この世の中をどんなにか住みよく明るくするかしれません。

 

88歳にして今なお現役、今年5月の誕生日に、『放浪記』の舞台上演2000回を控える森さんの、たおやかな長寿の秘訣は、日々のこんな心掛けにもあったのかもしれませんね。

(E)

アカデミー賞『おくりびと』のメッセージとは

2 月 26, 2009 on 9:59 pm | In 社会 | No Comments

『おくりびと』がアカデミー賞外国語映画賞を受賞しました。

 日本作品では初めての快挙だそうです! 

 以下は朝日新聞の記事です。

第81回米アカデミー賞の発表・授賞式が22日(日本時間23日)、ハリウッドのコダックシアターであり、滝田洋二郎監督「おくりびと」が外国語映画賞を、加藤久仁生(くにお)監督「つみきのいえ」が短編アニメーション賞を獲得、日本作品のダブル受賞という快挙となった。

56年度に外国語映画賞が設けられて以来、日本作品の受賞は初めて。短編アニメ部門も、日本人監督作品の受賞は初めてだ。

受賞者に贈られる黄金色のオスカー像を手にした滝田監督は、タイトルの英語名「デパーチャーズ」にかけて「手助けしてくれたみんな、ありがとう。これが私にとっての新たな『旅立ち』(デパーチャー)だ。またここに戻ってくる」と語った。

「おくりびと」は日本では昨年9月の封切りで、本木雅弘さん主演。亡くなった人の体を清め、棺(ひつぎ)に納める納棺師の仕事に就いた男性が、人と死に向き合う様を描いた。

 

 主演の本木雅弘さんが、「こんな映画を作りたい」と思ったことが、すべての始まりだったようです。

 さらにそのきっかけは、富山県出身の作家・青木新門さんの「納棺夫日記」を読んだことにありました。

 

 青木さんは、早稲田大学中退後、富山市で飲食店を経営する傍ら文学を志し、1973年冠婚葬祭会社(現「オークス」)に入社。1993年、葬式の現場での体験を『納棺夫日記』として著し、ベストセラーに。

 過去の講演記録に、青木さんの伝えたいメッセージが書かれていたので紹介します。

 

 今日、少年事件が多発しています。そのたびに「いのち」の大切さが叫ばれ、教育のあり方について云々されます。しかし、いつの世も少年たちは大人の背中を見て育ちます。大人たちが死を隠蔽し、死について語ることもなく、いのちのバトンタッチもしないで、いのちの大切さを求めているように私には思えてなりません。私は、死の現場で多くの死者に接しているうちに、死者たちからの教わったことは「いのちのバトンタッチ」の大切さでした。そんな話を、葬儀の現場での納棺体験を通してお話しさせていただけたらと思っています。

 

 尊厳で、かけがえのない命。

 その、本当の意味を考えるきっかけになれば、このたびの『おくりびと』アカデミー賞受賞も、幸福に近づく一歩になるのでは、と思います。

(T)

無常の世を嘆いた「麦屋節」

2 月 25, 2009 on 1:52 pm | In 日記 | No Comments

 

麦屋節

 雪のほとんどない暖冬の富山県で、2月16日あたりから、ようやく冬らしい寒さと積雪になってきました。
 あったかければありがたいのですが、スキー場関係の皆さんは困るし、北アルプスから1年中流れてくる豊かな水量が米や農産物をおいしくはぐくむことを考えれば、やっぱり降る時には降らないとダメなんでしょうね。

 

 雪が似合う富山の風景といえば、3000メートル級の立山と、世界遺産の五箇山・合掌造り集落です。
 五箇山観光協会によれば、ミシュラン旅行ガイド日本編 “Le guide vert Japon “(フランス版・3月発売)に五箇山が、***(三ツ星)で掲載されるそうです。

 1月10日の「日経」夕刊には、インターネットで全国約2万3千人を対象に実施した観光地満足度ランキングが掲載され、第7位に「五箇山」が選ばれています。

(ちなみに、4位が立山、5位が北アルプス。1位の西表島など沖縄の島々や、上高地、尾瀬、知床などの有名どころがベスト10にランクイン)

 

 富山出身の私も、中学と高校で1回ずつ、夏に五箇山で同級生と寝食をともにし、開放感に浸ったいい思い出があります。
 大自然の中で、合掌造りの旧家に泊まる。ウーン、いいですよお。

 

 もう一つ、五箇山には、「こきりこ」「といちんさ」などの有名な民謡があります。
 中でも「麦屋節」は、黒の紋付き袴に白たすき、白足袋で、一尺五寸の杣(そま)刀を差し、笠を持って踊る勇壮な踊りです。

 早いテンポの中に哀愁ある歌詞が調和するこの民謡は、平家の落人が歌い始めたといわれます。

 

 源氏の追っ手を逃れ、ある者は武士の踏み入らぬ比叡山天台宗ににわか坊主となって逃げ込み、ある者は各地の秘境へ逃避行を重ねたのでした。
 五箇山も隠れ里になった一つで、かつて「平家にあらざる者は人にあらず」と豪語した落武者たちが、無常の世を嘆いて「麦屋節」を歌い踊ったのでしょう。

 

    麦や菜種は二年で刈るが

    麻が刈らりょか半土用(はんどよう)に

 

    浪の屋島を遠くのがれて来て

    薪(たきぎ)こるてふ深山辺(ふかやまべ)に

 

    烏帽子狩衣(えぼしかりぎぬ)脱ぎうちすてて

    今は越路の杣刀(そまがたな)

 

    心淋しや落ち行くみちは

    川の鳴瀬と鹿の声

 

    川の鳴瀬に布機(きぬばた)たてて

    波に織らせて岩に着しょう

 

    鮎は瀬につく鳥は木に止まる

    人は情の下に住む

 

 

 平家の落人を、五箇山の素朴な自然は、何事もなかったかのように迎え入れ、温かく包み込んでくれたのでしょう。

 (I)

占いに頼らず、「しっかり!」生きたい

2 月 21, 2009 on 12:08 pm | In 社会 | No Comments

 

占い

高視聴率を記録しているテレビ番組「キイナ -不可能犯罪捜査官-」に、興味深い会話がありました。

 

菅野美穂ふんする捜査官・キイナが、

「占いって、何で当たるのかな」

と、元恋人(塚地武雅)に尋ねます。

すると、彼は、

「どうして人は占いを信じるか、なら分かるよ。人は、印象深いところだけ覚えているんだ。占い師が言ったうち、3割が当たっていれば、あとの7割は当たっていなくても、『あの占い当たる!』と思ってしまうんだよ」。

 

確かに、自分の願望どおりのことを言われたり、逆に、嫌なことを言われたりすると、そこばかりが気になって、ほかは忘れてしまい、何かそれらしきことが起きると、あたかも占いが当たったかのように思ってしまうのでしょう。

 

60数億もいる人類の運命が、星占いのようにきれいに12とおりに分かれるとは到底思えませんし、よい印鑑を持たないと幸福になれないという印相が本当なら、印鑑を使わず、サインで済ます多くの国の人はどうなんでしょう。

それでも、ついつい頼ってしまうのは、人間がそれだけ不安だからなのでしょうか。

 

仏教では、私たちの身に起こる一切は、すべて自分自身の行いが生み出したものであり、占いなどで左右されるものではないと教えられています。

 

上野樹里さんが出演している某保険会社のCMでも、外れまくる占い師にあきれて、「しっかりしなきゃ!」と、占い師を見限っていました。

たまに当たるように見えても、私たちの運命は占いで決まるものではありません。幸・不幸の原因を正しく知って、占いに頼らず、「しっかり!」生きていきたいものですね。

(E)

実験で分かった「勝るをねたむ心」

2 月 19, 2009 on 1:07 pm | In 社会 | No Comments

ねたみ

 2月13日付の『朝日新聞』に、興味深い記事がありましたので紹介します。

 

「他人の不幸喜ぶ」「ねたむ」脳の場所特定 放射線医研

 人をねたむ感情と人の不幸を喜ぶ感情をつかさどる脳の働きは、非常に関係が深いことが分かった、という内容です。

 放射線医学総合研究所などのグループによる実験は、次のような手順で行われました。

 

 大学4年生の男女19人に物語を読ませます。登場人物は以下の4人。

・被験者自身

・A(被験者と同性、進路や目標も同じで、しかも自分より優秀)

・B(異性で優秀だが、進路や目標は異なる)

・C(異性で平凡、進路や目標も違う)

 物語を読んだあと、ABCへの感情を6段階で述べてもらったところ、ABCの順でねたみの度合いは高く、その時、脳のある部分が活発に動いたそうです。

 その後、AとCに不幸が起きる続きの物語を読ませたところ、Cではさほどでない「うれしい気持ち」が、Aの不幸には中程度起きた。
 その時、活発に動いたのは、社会的、金銭的に報酬を得た時に活発になる脳の部位だといいます。

 さらに、先のねたみに関する脳の活動の大きい人ほど、後の実験の「うれしい気持ち」も大きいのだそうです。

 

 仏教では私たち人間を「煩悩具足の者」と教えられています。
「煩悩」とは私たちを煩わせ、悩ませるもの。全部で108あるといわれます。
 その中で最も恐ろしい貪欲(欲)、瞋恚(怒り)、愚痴(ねたみそねみ)を三毒の煩悩といいます。

 この実験で問題にされている感情は、三毒の中の愚痴に当たります。

 

 愚痴とは「勝るをねたむ心」ともいわれ、境遇が近く、しかも自分よりも勝っている人に激しく働く。
 また「他人の貧乏、雁の味」ともいい、そんな相手に不幸が起きるとよりうれしい思いが起きてしまう。

 この実験結果は、仏説が肉体的な変化として表れたことを示しているようです。

(N)

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