親思う心にまさる親心
10 月 15, 2009 on 1:43 pm | In 歴史 |
「親思う心にまさる親心 今日のおとずれ何ときくらん」(吉田松陰)
幕末の思想家、吉田松陰が、29歳で処刑される1週間前に詠んだ歌です。
本人は信念を貫いたのですから、悔いはないでしょうが、息子の死を聞いた親はどう思うか。
子供は親を忘れても、親は子供を忘れません。
松陰は、長州藩士の貧しい家に生まれました。
22歳の時、10年間諸国遊歴の許しを受けて旅に出ます。著名な人物を訪ね、勉学に励もうとする松陰に、母は驚くほど多額の旅費を渡しました。
息子の万一の時の備えにと、貧乏の中から両親が、少しずつ節約して、お金を貯めてくれていたのです。
この親心で勉学に励んだ松陰が、日本の歴史に重大な影響を与えたのです。
松陰が江戸に滞在中に、ペリーがアメリカの軍艦を率いて浦賀に入り、開国を迫ります。
「今や、世界情勢を学ぶことが急務」と考えた松陰は、小舟で軍艦へ近づき、アメリカへの密航を頼みました。
しかし交渉は失敗し、松陰は幕府に捕らえられ、長州へ送られました。長い牢獄生活の始まりです。
両親は、温かい着物や食べ物の差し入れを続け、退屈しないようにと、書物や筆、紙に至るまで届けています。
牢獄は湿けが多く不衛生なので、衣類には、すぐシラミがわくので、母はよく洗濯に訪れたといいます。
両親の深い恩によって育てられた松陰は、臨終にいよいよその恩の深さに感泣したことでしょう。
お釈迦さまは「父母の恩の重きこと、天の極まり無きが如し」と説かれ、両親から受けたご恩は山よりも高く、海よりも深いのだと教えられています。
この深い恩を決して無駄にしないよう、命を大切に使いたいものです。
(R)
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