生きる「寂しさ」「ストレス」を解消してくれるのは

元プロ野球選手だったタレントが、覚せい剤所持で逮捕され、裁判の結果、懲役2年6カ月執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。

覚醒剤を使い始めたのは、2008年に「引退後すぐ」と説明し、その理由については、「現役時代はストレスや不安を野球で解決できたが、引退後は解決方法をなくし、薬物に負けた」などと語っています。

人それぞれ、生きる「ストレス」「寂しさ」「空しさ」を紛らわすために、生き甲斐や趣味を持っていることでしょう。たしかに、生き甲斐や趣味、仕事に没頭している間は、ストレスや不安を忘れることができます。しかし、それは一時的な解決ですから、終わってしまえば、また辛い現実に逆戻りです。飲んだ酒に酔っ払っている間だけ、借金を忘れて気持ちよくなっているのと、似たようなものでしょう。

しかし、今の人生を満喫できれば、苦しみやさびしさをごまかす努力は、いりません。

「なぜ生きる」の答えを知り、人生の目的を達成すれば、「なんと生きるとは素晴らしいことか!」と、生命の歓喜を味わい、現在の一瞬一瞬が、かの星々よりも光彩を放つのです。


オバマ大統領の広島訪問に思う

5月27日、オバマ大統領は、現職のアメリカ大統領として初めて、被爆地・広島を訪れました。

「私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」と訴えています。

広島訪問の理由を「閃光と炎の壁が都市を破壊し、人類が自らを破滅させる手段を手にした。私たちは、そう遠くない過去に解き放たれた恐ろしい力に思いをめぐらすために来た」と語りました。

「科学によって(中略)殺戮の道具に転用することができる。広島がこの真実を教えてくれる」とも語っています。

長足の進歩をとげた科学は、史上、もっとも強い力を持った手段ですが、かつてない大量殺戮にも使われ、オバマ大統領も指摘したように、人間自体を滅ぼそうとするまでになりました。

科学を何に使うか、その目的を教えるのが宗教の役目だ、とアインシュタインは訴えました。『私の世界観』という本には、「人生の意義に答えるのが宗教だ」とも書いています。21世紀が「宗教の時代」といわれるのは、もっとも大事な人生の目的「なぜ生きる」の答えを、はっきり指し示す「真の宗教」が、希求されているからでしょう。

核廃絶までの道のりは遠いですが、「なぜ生きる」の答えが分かってこそ、真の解決がもたらされると


人工知能が人間を負かす日

3月に、人工知能「アルファ碁」が世界のトップ囲碁棋士イ・デドル9段を、4勝1敗で下しました。人工知能が人間に勝ったことは、過去にもあります。

1997年にはIBMの「ディープブルー」が、チェスで世界最強といわれたカスパロフを破りました。また同じくIBMの「ワトソン」は2011年に、アメリカのクイズ番組「ジェパディー」で歴代チャンピオン二人に圧勝しています。

しかし今回の囲碁での勝利は、まったく別の意味があります。囲碁は、ゲームの中でも、世界で最も高度な一つです。可能な局面の多さは、チェスとは桁違いです。

今後、人口知能は、自動運転や、医師の診療の補助など、様々な分野での応用が期待されています。機械が運転したほうが、人間よりも事故が減り、機械が診察した方が、誤診が少なくなる日が、来るかも知れません。

人工知能が人間の頭脳を超えるのは、時間の問題でしょう。それは2045年だと予測する人もあります。その時、人間は人工知能に滅ぼされると心配する人もいます。

それでは、何のために人工知能を作るのか、わからなくなってしまいます。科学も医学も、すべての営みは人類を幸福にするためにあります。人工知能を作ったら、人類が不幸医なるのであれば、そんな研究は、やめなければなりません。実際、有名な宇宙物理学者ホーキング博士は、「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に、『最後』の出来事になってしまう可能性もある」と言っています。

政治も経済も、科学も医学も、すべては私たちが幸福になるためにあります。

本当の幸福になる道を教えられた仏法を根底としてこそ、科学も医学も、真に素晴らしいものになるでしょう。


弘誓の仏地にたつのが人生の目的

日本ではバブルが崩壊してから、この20年、不景気が続いているために「失われた20年」と、よく言われます。

しかし同時に、「地震の20年」であったとも言えます。

90年前の大正12年(1923年)9月1日に起きた関東大震災では、十万人の人が亡くなり、日本の歴史上、最悪の災害となりました。それ以来、「再び関東大震災がやってくる」と、首都直下型地震に備え、「東海地方にも大地震がおきる」、対策が続けられてきました。

ところが21年前、平成7年(1995)には、思ってもいなかった阪神・淡路大震災が起きて、6400人の方が犠牲になっています。

さらに10年前、平成16年(2004)には、新潟県中越地震が起きて、阪神大震災と同じ震度7を観測しています。

そして6年前の平成23年(2011)、戦後最悪となる東日本大震災が発生しました。死者16000人、行方不明2500人の大惨事となっています。東北地方と言えば、東京に集中しすぎた機能を移転する候補地であったにも関わらず、観測史上最大の、千年に一度の大地震が起きてしまったのです。

その傷跡も癒えないうちに、今年の4月は14日、16日の連続して熊本で震度7の地震が発生しました。

このように日本では、この20年のあいだに震度7の地震が4回も起きており、その間隔は短くなる一方です。しかも、阪神や九州など、想定外の地域で地震が起きていますから、もはや特定の地域だけ、観測を強化するということは、意味がなくなってしまいました。

いつ、どこに大地震が起きてもおかしくない、あらゆる場所で対策を強化しなければならない、「大地震活動期」に入ったといわれています。

親鸞聖人が「火宅無常の世界」と仰ったとおり、いつ何が起こるかわからない、不安な世界に生きています。そんな私たちが、本当の幸福になるには、親鸞聖人の教えられた、阿弥陀仏の本願という、絶対に崩れない大地「弘誓の仏地」に立つしかないのでしょう。


若者はなぜ、過激な思想に走るのか

昨年11月14日に、パリで同時多発テロがあり、コンサートホールやサッカー場で120以上の人が犠牲になりました。ヨーロッパ全土で、厳戒態勢が取られていたにもかかわらず、4か月後の3月22日、ベルギーの空港と地下鉄の駅を狙ったテロで32人が死亡、340人が重軽傷を負いました。

9.11からテロとの戦いの舞台は、アフガニスタンからイラク、シリアへ移り、とうとうヨーロッパ内部にまで食い込んでいます。

かつてのアルカイダのような、プロのテロリストが周到な計画を立てて決行するテロ攻撃と異なり、今はインターネットで洗脳された若者が、即席のテロリストとなって凶行に及ぶようになりました。テロを防ぐのは、ますます困難になっています。

そもそもなぜ、若者が過激な思想に走るのか、世界中で原因が分析されています。

生きる意味がわからず、何か重要なことをしたいと思っている子どもが、イスラム教徒の悲惨な現状を見せつけられ、過激な思想に触れると、容易に影響を受けてしまうことが指摘されています。

テロは、空爆では無くなりません。もっとも大事な「なぜ生きる」の答えを明らかにすることが、若者の暴走を止める、唯一の有効な道ではないでしょうか。


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