止まらない御名号本尊への流れ|親鸞会 顕正新聞 (3/4)

浄土真宗 親鸞会 同朋の里 A館

矛盾した本願寺の本尊論

 このたびの西本願寺の教学のトップ、浅井成海(じょうかい)氏(教学伝道研究センター所長)の本尊論で、本願寺の主張を検証してみよう。

※浅井成海氏の原文

〔本尊〕
 「阿弥陀如来」は、言うまでもなく、覚体としての阿弥陀さま。木像や絵像としてのご本尊です。「南無阿弥陀仏」は、名号本尊としての六字名号で、どちらも正式な「本尊」です。
 名号「南無阿弥陀仏」が本尊であるというのは、浄土真宗の大きな特徴です。
他宗の論理では、木像が最も詳細なお姿で、絵像・名号は、簡略化と思われがちですが、当流では全く同等です。
 それは、本願成就文に「聞其名号」とあるように、私たちが直接出遇っている如来さまは、「南無阿弥陀仏」の名号だからです。
そこには、私たちの信心としての帰命の「南無」まで用意してくださって、私のもとに来てくださる如来さまなのです。
 だから、「南無」まで含めて本尊とするのであり、「阿弥陀仏」だけを本尊とするのではありません。私たちの出遇っている如来さまは、「南無」まで用意してくださった「南無阿弥陀仏」なのです。

 

「阿弥陀如来」は、言うまでもなく、覚体としての阿弥陀さま。木像や絵像としての御本尊です。「南無阿弥陀仏」は、名号本尊としての六字名号で、どちらも正式な「本尊」です。

 まず、浄土真宗に「阿弥陀仏」の木像や絵像の御本尊と、「南無阿弥陀仏」の六字名号の御本尊の二つがあるとして、「どちらも正式な本尊」だと明言している。
その上で、

 他宗の論理では、木像が最も詳細なお姿で、絵像・名号は、簡略化と思われがちですが、当流では全く同等です。

と、他宗では木像が阿弥陀仏の最も詳細なお姿で、絵像や名号は簡略されたものとしていると浄土宗を批判し、浄土真宗では全く同等だと断じている。
根拠として、

 それは、本願成就文に「聞其名号」とあるように、私たちが直接出遇っている如来さまは、「南無阿弥陀仏」の名号だからです。

と、本願成就文の「聞其名号」を挙げている。「本願成就文」とは、親鸞聖人が「一実円満の真教・真宗これなり」と断じ、そこに説かれる「名号」を浄土真宗の正しい御本尊とされ、生涯「名号」以外御本尊とされなかった親鸞聖人の経典上の根拠である。
その「名号」について、

 そこには、私たちの信心としての帰命の「南無」まで用意してくださって、私のもとに来てくださる如来さまなのです。
だから、「南無」まで含めて本尊とするのであり、「阿弥陀仏」だけを本尊とするのではありません。私たちの出遇っている如来さまは、「南無」まで用意してくださった「南無阿弥陀仏」なのです。

 ここでは、一転、
「『南無』まで含めて本尊とするのであり、『阿弥陀仏』だけを本尊とするのではありません」
と、「阿弥陀仏」だけの本尊と、「南無阿弥陀仏」の本尊の違いを強調している。

 これでは、正しい御本尊は「阿弥陀仏」の木像や絵像ではなく、「南無阿弥陀仏」の六字の名号であるという宣言をしていることになる。

 冒頭で「阿弥陀仏」の木像や絵像の本尊も、「南無阿弥陀仏」の名号本尊も「どちらも正式」で「全く同等」だと繰り返し主張していたことと矛盾した内容であることは明白であろう。

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