無碍の一道に出でよ
『歎異抄』第七章の仰せ
ではなぜ、天神地祇が念仏者に敬伏するのですか？
本師本仏の阿弥陀如来に救い摂られた人だからです。
念仏者のバックには、無上仏の阿弥陀仏がましますのです。
苦悩の根元である無明の闇
（後生暗い心）を破るお力は、阿弥陀如来にしかありません。
大日如来も薬師如来も、釈迦如来も、みな阿弥陀如来のお弟子ですから。その下の菩薩や神々は、弥陀に救われた念仏者に敬伏するのは当然のことなのです。
また、天神地祇ぐらいにまでならないと、念仏者の尊さは分からないのです。
「魔界・外道も障碍することなし」とは、どういうことですか。
これは、念仏者に不幸や災難が起きなくなるとか、外道や邪教徒から非難攻撃されなくなることではありません。
無碍の一道に出た念仏者は、どんなにあざけり笑われ、攻撃されようとも、弥陀の誓願不思議を伝え切る前進を、何ものも妨げることはできない、ということです。
聖人のご一生が、まさにそうであったのです。
これまで、いろいろな非難攻撃を浴びてきましたが、そのつど、このお言葉どおり、何も障碍されることはありませんでした。だからこそ、二千畳があるのです。
無碍の一道に出るには、念仏者になるしかないのですか？
そうです。
「無碍の一道に救う」という誓願（約束）は、大宇宙広しといえども、無上仏の阿弥陀仏にしかないからです。
大宇宙には、恒河沙数の諸仏といって、インドのガンジス川の砂の数ほどの仏がおられるが、「すべての人の、苦しみの根元である無明の闇を破って、無碍の一道に出させる。人間に生まれてよかったと、人生の目的を果たさせてみせる」と誓われている方は、阿弥陀仏以外にはおられません。
この阿弥陀仏の本願に救われた人を、「念仏者」というのですから、無碍の一道に出るには、ほかに道はありません。
